2026年10月5日、SnowflakeはCortex Agentsに組み込まれたコード実行ツールの一般提供を発表した。このツールにより、エージェントは対話中にデータ処理、計算、可視化のためのスクリプトを実行できる。

10月5日に何が変わったのか
変更されたのは既存ツールの提供ステータスだ。Snowflakeはプレビューから一般提供(General Availability、GA)へ移行した。別途公開されたプレビュー開始のリリースノートは2026年8月20日付となっている。10月の発表は、プレビュー段階の終了に関するものだ。
ツールの設定に関する説明によると、コード実行はエージェントの仕様を通じて有効化する。エージェントはユーザーのリクエストに基づき、コードを作成して実行するタイミングを判断する。このツールは、特定のタスク向けに追加する指示やリソースであるエージェントスキルの一部として、Pythonスクリプトを実行することもできる。
エージェントによるデータ取得と計算の仕組み
専用ドキュメントでは、code_executionツールは隔離されたサンドボックス内でPythonを実行するものと説明されている。SQLツールはサンドボックスの外でSnowflakeのデータを照会し、その後Pythonが取得結果を処理する。サンドボックスは、セッションに渡されたデータと接続されたワークスペースにアクセスできる。
Cortex Agentsの全体アーキテクチャでは、各ツールが異なる処理段階を担当する。Cortex Analystは構造化データを扱い、Cortex Searchは文書検索を担い、コード実行はプログラムによる処理を追加する。Snowflakeの説明によれば、マネージドなオーケストレーションによって、エージェントは作業を計画し、ツールを呼び出し、回答を生成できる。
このアーキテクチャから、分析アシスタントの実用的なシナリオが見えてくる。1つの対話の中でデータを取得し、計算を実行し、グラフを作成するというものだ。このシナリオを設計する際は、入力となるデータ、計算式、結果の検証方法をそれぞれ明確にしておくとよい。これにより、チームは再現可能なテストの各段階を把握しやすくなる。
アクセス権限に関する推奨事項は、時系列を踏まえて読む必要がある。2026年6月15日に更新され、編集部が10月8日に確認したベストプラクティスガイドは、エージェント所有者のロール権限を継承すると述べ、結果をテーブルに保存することを提案している。ただし、このページには継続的に保守されておらず、内容が古くなっている可能性があると明記されている。その後の8月20日付のプレビューのリリースノートでは、具体的なルールが定められている。SQLはサンドボックスの外で実行され、ファイルは接続されたワークスペースに保存され、owner’s rightsによる呼び出しではコード実行がサポートされない。同じ条件は、現行の専用ドキュメントにも記載されている。
計算の間に保持されるもの
ワークスペースのルールによれば、ワークスペースに書き込まれたファイルは、サンドボックスが停止しても保持される。一方、変数やインポート済みのモジュールは、個別の実行の間に失われる場合がある。後続の手順で必要となる結果は、ファイルに書き込む必要がある。
Snowflakeは8月のプレビューの段階で、pandas、NumPy、matplotlib、Plotlyなど、プリインストールされたデータ処理・グラフ作成ライブラリを挙げていた。追加のパッケージはArtifact Repositoryを通じて利用する。実運用のシナリオを準備する際は、依存関係と中間結果の受け渡し方法を事前に決めておくとよい。
導入時に重要な条件
現行ドキュメントは、所有者の権限であるowner’s rightsによる呼び出しに制約を設けている。その権限で実行されるストアドプロシージャからエージェントを呼び出すと、コード実行ツールがリクエストから削除され、サンドボックスは作成されず、回答には警告が含まれる。コードを実行するには、呼び出し元ユーザーの権限であるcaller’s rightsによる呼び出しが必要だ。
GAへの移行は、日付付きのリリースノートで確認できる。個々のアカウントで導入する前に、チームはリージョンごとの提供状況、実行料金、リソース制限、サポート条件を確認する必要がある。10月の発表には、これらの項目は列挙されていない。
組み込みPythonが役立つチーム
このツールは、主にSnowflake内で分析アシスタントを構築するチームに適している。その実用的な役割は、データ取得とプログラムによる計算・可視化を、エージェントの1つの処理プロセスに結び付けることだ。Cortex Agentsの概要で説明されているツールは、構造化データの処理と文書検索を組み合わせることを可能にし、Pythonはそこに計算の段階を追加する。
導入で鍵となる判断は3つある。どのツールで入力データを取得するか、どの権限でエージェントを呼び出すか、結果をどこに保存するかだ。これらは、あらかじめ正解が分かっている小規模で再現可能な課題で検証するとよい。例えば、固定されたデータから指標を計算し、対応するグラフを作成する課題が考えられる。